健康診断で指摘される脂質異常症は非常に相談が多い項目です。コレステロール、中性脂肪の異常は冠動脈疾患、脳血管疾患のリスクです。一度当院にご相談下さい。
治療の必要性に関しては、診断とリスク評価が重要です。※全員が治療を開始するわけではございません。
診療について
診察
コレステロール、中性脂肪の異常値に対して様子を見て良いのか、それとも治療介入すべきかを医師が判断します。異常値の原因に食習慣や肥満症がある場合は、是正も必要です。
検査
血液検査を施行します。この検査は必須になります。医療用体組成計による肥満診断を行います。
治療
コレステロールを下げる薬、中性脂肪を下げる薬もしくはその両方を使用します。近年は合剤が開発されていますので、脂質異常症の治療薬は1〜2剤です。
コレステロールを下げるスタチン
LDL-コレステロールを下げる薬の一つにスタチンがあります。種類によって「○○スタチン」と薬品名は異なりますが、概ねLDL-コレステロールを40-50%下げることが可能です。そしてスタチンによってLDL-コレステロールを下げれば下げるほど冠動脈イベントの発症率が抑えられることが明らかになっています。
下図は治療薬(スタチン)で治療している方のLDL-C値と冠動脈イベントの発症率をまとめたものです。
スタチンにはプラーク退縮効果もあります
この治療薬(スタチン)は動脈硬化のプラークの退縮効果も確認されており、“血管サラサラの薬”と言っても過言ではありません。なないろクリニックでは、このスタチンという薬を中心に治療計画を立てます。1,2日飲み忘れても構いません。サプリ感覚で良いので続けることが重要です。
脂質異常症について
診断基準
以下に脂質異常症の診断基準を提示します。あなたの脂質異常はどのタイプでしょうか?
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
健康診断などで指摘された場合はすでに基準を満たしていることがあります。
脂質異常症のリスク
中性脂肪、コレステロールの異常があると動脈硬化性疾患(アテローム性脳梗塞、冠動脈疾患)のリスクが増大することがわかっています。
LDL-コレステロールが高いとリスク3−4倍
LDL‐ コレステロールは俗に悪玉コレステロールと呼ばれるものです。LDL-コレステロール ≧ 140 mg/dLを高いLDL-コレステロール血症と定義され、LDL-コレステロール 80 mg/dL未満と比較して、LDL-コレステロール 140 mg/dL以上の発症リスクは LDL-コレステロール 140 mg/dL以上の発症リスクは冠動脈疾患 2.8倍、心筋梗塞 3.8倍 とされます。1)
また、LDL-コレステロールが高ければ高いほど冠動脈疾患の発症リスクが高いことがわかっています。日本人において血清LDL-コレステロール 80mg/dL から200mg/dLまでの範囲でLDL-コレステロールが30mg/dL 上昇するごとに男性1.3倍、女性1.25倍と冠動脈疾患の発症リスクとLDL-コレステロールの関係にほぼ直線的な正の相関を示すことがわかっています。1)
1) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21371493/
H Imano et al. Low-density lipoprotein cholesterol and risk of coronary heart disease among Japanese men and women: the Circulatory Risk in Communities Study (CIRCS)
トリグリセリド(中性脂肪)も心血管死亡リスクを高める
アメリカのFramingham study(フラミンガムスタディー)を始めとして、トリグリセリド(TG) ≧ 150mg/dL以上で心血管イベントリスクが上昇するため、TG ≧ 150mg/dL を高トリグリセライド血症と定義されています。高TG血症は心血管疾患の独立したリスクファクターと明らかになっています。また血清TG値が150mg/dLより高くなるほど心血管死亡リスクは直線的に増加することがわかっています。(図は65歳未満のものに絞って掲載)
下の論文より引用・改変
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20200399/_article/-char/ja/
ながながと書いてきましたが、結局何を伝えたいかというと…異常値がコレステロールであれ、中性脂肪であれ
「脂質異常症を放置せず、大きな病気になる前に予防しよう!」ということなんです。

脂質異常症はリスク評価が大切です。年齢や基礎疾患によっても変わりますので、異常を指摘されたら必ず医師に相談下さい!
当院でなくても構いません。脂質異常症の治療に前向きの方、一度やっていたのに中断した方、お近くの信頼できる医師にご相談ください。良いお薬がありますので、ぜひ治療を開始・継続していただけますようお願いします。
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2022.12.04
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