肥満症は万病の元です

当院では肥満症を見逃さない診療設計をしています。

保険診療で肥満症に対して、注射薬(ウゴービなど)は処方出来ません!
問い合わせもお控えください。

※「ウゴービ」は2024年3月11日現在施設基準があり、当院では処方出来ませんのでご了承ください。

ダイエットの相談はお断りします。ダイエット治療はメディカルダイエット(自費)をご予約ください

ごく一部の患者さんですが、内科外来のことをダイエット相談室のように考えて受診される人がいます。保険診療でダイエットの相談は行えません。具体例をあげますと、

  • かかりつけがあるにも関わらず、延々とダイエットの相談をする
  • 治療を希望されるが、検査は拒否
  • 内科治療はかかりつけで行う

といった具合です。当院はダイエット相談窓口ではありません、痩せたいから受診しましたはお辞めください。「太っている」「肥満がある」だけでは保険適応になりません。ダイエット相談で受診された場合、自費診療扱いになりセカンドオピニオンとして15分 50,000円請求します。(後述しますが、あくまで肥満症は「肥満+健康障害」)確かに、肥満の是正は大切ですし当院でも力を入れております。しかし、それはあくまで内科的治療の一環です。かかりつけがあるのであれば、まずかかりつけの医師にご相談ください。

ダイエット治療は、メディカルダイエット(自費)をご予約ください。

肥満症について

肥満は現代病

肥満は現代病と言っても過言ではありません。厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、20歳以上の人の肥満の割合は男性33.0%、女性22.3%となっています。

年代別にみると男性では40歳代が39.7%と最も高く、次いで50歳代が39.2%となっています。一方女性は60歳代で28.1%と最も高くなっています。体重が増えるだけならまだ良いですが、内臓脂肪が蓄積することで、同時期から血圧、脂質、血糖などの異常値を伴うことが多くなります。後述する肥満症です。

年を重ねると肥満になる理由

若い時と同じ食事、生活をしているのに太ってしまう…

これはなぜでしょうか。年を重ねると体重が増え丸みを帯びるのは、性ホルモンの低下によって基礎代謝が落ちたことが一つの原因です。男性は30代から男性ホルモンが少なくなり、中年体型(ビール腹)になります。一方、女性は50歳前後(閉経)で女性ホルモンが少なくなり、中年体型(洋ナシ型、リンゴ型)になります。30代以降、女性の50代以降にじわじわと体重が増えることは、加齢による一種の生理現象とも言えます。

基礎代謝について

基礎代謝(BMR)とは、体の機能を維持するための必要最低限のエネルギーのことです。人間生きているだけでカロリーを消費していて、ざっくりと男性は約1500kcal、女性は約1100kcal 前後の基礎代謝があります。(もちろん、年齢・性別・体重によって変動します)

基礎代謝の計算式は以下のとおりです。

ハリス・ベネディクト方程式(改良版:日本人向けBMR計算式)

男性: 13.397×体重(kg)+4.799×身長(cm)−5.677×年齢+88.362

女性: 9.247×体重(kg)+3.098×身長(cm)−4.33×年齢+447.593

18歳をピークに年齢が高くなるほど基礎代謝は低くなります。

日常的な活動による消費カロリーも加味する必要がありますが、実際に1日に必要とするカロリーは「基礎代謝 +200」kcal 程度と考えられます。

肥満の定義と肥満度判定

肥満の判定にはBMIが利用されます。BMI(body mass index)は、体重を身長(m)の2乗で割ったもので、単位は kg/m2 です。肥満とは脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI ≧25 であるものと定義されます。

体重70kgの人がいたとして、身長 178cmであればBMI22で適正体重ですが、身長160cmの人でBMI27.3で肥満(疑い)となります。ここで注意したいのが、BMI25以上だからといって必ずしも肥満とは限らないということです。

BMIはあくまで身長に対する体重のバランスを表すものです。例えば、ボディービルダーのような筋肉質の人は体重が重くBMIが25以上のこともありますが、その体組成は筋肉優位なので肥満ではありません。あくまで脂肪優位でBMIが25以上の人が肥満とされます。

肥満診断にはInBodyが有用です

当院では医療用の体成分分析装置であるInBodyを導入していますので、体組成の評価、肥満の診断が可能です。対象の方、内科(糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症など)の初診の方に全員に、InBodyを用いて肥満診断を行っています。

肥満を見逃しません!

実際にBMIが高くても肥満ではない例、隠れ肥満の例をデータでお示しします。

BMIは高いが、実際は筋肉質

筋肉型体型の男性,BMIは30.0kg/㎡の標準以上で見た目の体格は大きいですが、体脂肪率は15%の標準であるため実際は筋肉質な体型です。

BMIは標準だが、実際は肥満体型

低筋肉型肥満(やせ型肥満)体型の女性BMIは21.0kg/㎡の標準で見た目としては普通の体型ですが、体脂肪率は33%で標準より高いため実際は肥満体型です。

BMIだけでは見えてこない、隠れ肥満も見つかるぞい!

肥満に合併する健康障害が主な治療対象です

これもよく誤解されることですが、肥満と肥満症はイコールではありません。

「肥満症」は肥満に加えて健康障害を合併※する病態と定義されます。※もしくは医学的に減量の必要性を要する病態

肥満症は肥満自体がメインの治療対象ではなく、肥満に付随する健康障害(疾病)が治療の対象です。

治療について

通院することも治療のひとつ

通院すること自体が治療に繋がります。自分が肥満で減量する必要があると自覚するきっかけになり、減量に向けた行動を起こしやすいからです。1ヶ月に1回は受診することが理想です。定期的に体重を測定し、私達とともに進捗を確認しながら治療することでモチベーション維持に繋がります。患者さんからも「通ってよかった」とおっしゃっていただきます。

実例紹介 50代女性 165cm 81.8kg BMI30.4

高血圧治療のため、当院に受診されました。高血圧の解消には体重減少が有用であることを説明し、ダイエット意識に芽生え、「痩せたい」とのことでしたので体重日記指導をしました。毎日体重測定を行い体重日記を記録するだけで、6ヶ月間で7.1kgの体重減少に成功しています。目標の75kg台をクリアしたので、次は70kgを目指して努力されています。

体重日記による行動療法

体重日記は、毎日体重を計測しグラフ化することでダイエット成功をサポートするツールで、ダイエット意識の顕在化に有用です。厳格なグラフ化体重日記は「起床直後、朝食直後、夕食直後、就寝前」の1日4回計測しますが、当院では日常生活に合わせるため、「1日1回起床直後かつ排尿後」の体重を毎日記録しグラフ化するように簡略化して導入しています。この体重記録はアプリでもノートでもなんでもOKです。日々のありのままの体重を記録しましょう。それだけで効果はあります。(※体重日記は希望者のみ配布)

【実際の記入例】

実際の体重日記

あすけんアプリを推奨

アナログな紙の体重日記は良い反面もありますが、続かない人は続かないでしょう。デジタル化が進んだ現代では便利なダイエットアプリがたくさんあります。その代表例があすけんです。積極的にこのようなダイエットアプリ活用しましょう。

実例紹介 あすけんダイエット 30代男性 163cm 94.3kg BMI35.5

若年男性で高血圧、脂質異常症、肥満症がありました。高血圧、脂質異常症の解消には体重減少が有用であることを説明し、「あすけん」を紹介しました。あすけんアプリで毎日食事・体重記録を行い、7ヶ月間で15.5kgの体重減少に成功しています。現在もあすけんによる記録を継続されています。

減量目標

減量というと10〜20kg単位で痩せて標準体重(BMI 22前後)にならなければいけない!と思い高すぎる目標を掲げていることがありますが、実は数kg痩せるだけでも健康障害が改善することがわかっています。またBMIによって減量目標は異なり、BMI 35未満の人は現体重の3%以上の減量、BMI 35以上の人は現体重の5-10%が減量目標です。

身長165cm、体重81.7kgのBMI 30(肥満2度)の方は、現体重の3%(2.5kg)の減量、95kg、BMI 35の高度肥満症の方は、5%(4.75kg)〜9.5kgの減量です。どうでしょうか?意外と減量目標が高くないことがおわかりでしょうか?

減量で降圧剤が不要になる可能性もあります

減量による降圧効果を提示します。減量による効果は馬鹿にできません。

薬物療法

GLP-1受容体作動薬(当院では処方不可)

ちなみに日本で肥満症に対して承認されているものは、セマグルチドを成分としたGLP-1アナログ製剤「ウゴービ皮下注」です。糖尿病治療薬であるセマグルチド(注射薬 オゼンピック、経口薬 リベルサス)と同じですね。ただし、ウゴービの処方には施設基準が設けられているため、処方できる医療機関が限られているため注意ください。(当院は処方不可。医療機関の紹介も致しかねます。

GLP-1受容体作動薬は食欲抑制効果があり、海外では肥満症の治療薬としても用いられていますが、日本ではウゴービを除き糖尿病の治療薬としての承認しかありません。基本的には、GLP-1受容体作動薬を減量目的に使うのであれば、自費診療が主になります。

肥満症漢方

肥満症に保険で処方可能な薬剤として、漢方薬があります。ただし、漢方には食欲抑制効果もなく、●kg 減量するといった科学的データも乏しいので、長期的に使用するのは推奨しません

  1. 防風通聖散
  2. 防已黄耆湯
  3. 大柴胡湯

防已黄耆湯は水太りタイプの浮腫みがちの方へ、防風通聖散はお腹周りの脂肪が気になる方で脂肪燃焼を期待する方へ、大柴胡湯はイライラでストレスがたまりがちな方におすすめです。便の性状でも分けることが可能で、便秘気味の方は防風通聖散または大柴胡湯(大黄含有)、軟便の方は防已黄耆湯がオススメです。

当院の処方ルールとしては、、原則として1度に1種類を処方します。漢方は生薬を複数種類調合している薬剤なので、2種類以上の漢方を組み合わせると生薬が重複する可能性がございます。1つの目的には1つの漢方を処方します。

処方の可否は医師が判断します!希望に添えない可能性がございますのでご了承ください。

予約について

CLINICSアプリによる予約をお願いしています。(予約なしでの受付、電話予約も可能ですが、来院後に問診票に回答頂きます。)

こちらのリンクからアプリをインストール、予約へお進みください。

CLINICSアプリ

アプリ予約はこちら

 

予約時に必要なもの

会員登録には保険証が必要です。またオンライン診療にはクレジットカード登録が必要です。お手元に準備をお願いします。

診療メニュー

予約可能な診療メニューです。(時期によって変動があります)

  • 内科外来
  • アレルギー外来(花粉症、View39)
  • 睡眠薬お薬外来
  • 発熱外来
  • メディカルダイエット
  • AGA外来

【注意】公式予約リンクの利用をお願いします

クリニック公式のリンク経由でのアプリ予約をお願いしております。

CLINICアプリを各自で直接ダウンロードし、アプリ内検索で当院の診療メニューにたどり着いた場合、対面診療の予約が行えません。(※アプリの仕様。PC(WEB)からは対面診療の予約が不可能になりました。)

予約枠が空いていないとの問い合わせが多いのでご確認ください。

予約について詳しく知りたい方は、こちら

 

 

体重日記

体重日記は、毎日体重を計測しグラフ化することでダイエット成功をサポートするツールで、ダイエット意識の顕在化に有用です。当院では日常生活に合わせるため、「1日1回起床直後かつ排尿後」の体重を毎日記録しグラフ化するように簡略化して導入しています。体重日記は日々のありのままの体重を記録しましょう。それだけで効果はありますし、加えて診療の中で私たちが体重の変化を確認することで一層効果が高まります。この方の実際の記録を提示します。体重記録とともに「行動目標」を設定し達成具合を自身で評価します。これらにより日々の生活を客観視できるようになり、痩せる習慣を作ることが出来ます。