多くの現代人が抱える入眠障害、中途覚醒の症状を対象とした睡眠薬お薬外来です。

若いときにはすぐねれていたのに最近寝付きが悪い、在宅ワークが多くなって昼夜逆転気味、眠りが浅くて途中で目が冷めてしまう、このような悩みはありませんか?

その悩み、不眠症の症状かもしれません。

デエビゴに限り、オンライン診療可能です。

不眠症と間違いやすい睡眠障害

うつ病、睡眠薬依存症(目安として2剤以上)、他疾患併存(睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群等)は専門科での治療が必要です。

※他疾患(睡眠時無呼吸症候群、レストレッグス症候群)による睡眠障害は不眠症とは異なります。

不眠症とは

不眠症とは、寝付きが悪い、何度も目が覚める、朝早く目が覚める、眠りが浅いなどの症状が続き、日中の活動に支障が出る状態を指します。日本人成人の20%が慢性的な不眠(※1)に悩まされています。不眠で悩む人の割合は、加齢に伴って増加します。これは加齢により必要な睡眠時間が短くなることとが関係していると考えられ、女性に比較的に多いとされます。

※1 参考: https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/disease/dyssomnia/

不眠症の原因

不眠の原因は多岐にわたります。ストレス、アルコール、生活習慣の乱れ、精神疾患(うつ病など)などが代表的です。

不眠症の症状

不眠症の症状として、①床に入ってもなかなか寝つけない(入眠困難)、②夜中に何度も目を覚ます(中途覚醒)、③朝早く目が覚めて再度寝付けない(早朝覚醒)、④ぐっすり眠った感じが得られない(熟眠障害)の4つが良く見られます。

画像引用:エーザイ デエビゴ®錠を服用される患者さんへ(DVG1022)

入眠障害が不眠症に最も多い症状で、布団に入って入眠するまでに、30分から1時間以上かかり、それを苦痛に感じる状態です。不安や緊張が強いときに起こりやすい傾向にあります。

治療について

睡眠習慣の是正

まずは睡眠習慣を見直してみましょう!これだけでも改善する可能性が十分にあります。

詳しくはこちらを御覧ください。

睡眠習慣の改善も大切ですが、現代の不眠症の治療の中心は薬物療法です。

よく「眠れないからお酒を飲む」という方がいらっしゃいます。飲酒は睡眠の質を下げるだけでなく、同時にカロリー(脂質に富んだもの)の摂取を促進している可能性が高く、肥満の原因にもなります。これはよくありません。

飲むのならお酒ではなく睡眠薬!

ここからは当院で処方機会の多い2剤を紹介していきます。

睡眠薬の種類・作用

睡眠薬は以下の2パターンに大別されます

  • 自然な眠気を誘発するもの
  • 脳の機能を低下させるもの

入眠障害に効果が期待できる薬剤として「デエビゴ」もしくは、「ルネスタ」がおすすめです。デエビゴが自然な眠りを誘発するタイプの睡眠薬で、ルネスタは脳の機能を低下させるタイプの睡眠薬です。初めて処方するのはどちらか1剤になります。

当院のオススメの1剤はオレキシン受容体拮抗薬という新しいお薬の「デエビゴ」です。

これらの薬剤についてそれぞれ簡単に解説します。

デエビゴ(一般名: レンボレキサント)

自然な眠気を増強して入眠障害、中途覚醒を改善

デエビゴは覚醒ホルモンである「オレキシン」の脳内受容体をブロックする薬で、睡眠覚醒リズムを整え自然な入眠と睡眠維持、覚醒をもたらします。デエビゴは入眠障害、中途覚醒のいずれかまたその両方を伴う方に使用します。

効果は即効性あり、服用後30分ほどで効果を実感

デエビゴは服用後30分ほどで眠気が強まってきます。睡眠薬に共通して言えることですが、眠れる準備をしてから服用し、服用後はすみやかに床につくようにしましょう。

デエビゴの副作用

デエビゴの副作用として、以下の3つが代表的です

  • 悪夢
  • 睡眠麻痺(いわゆる、金縛り)
  • 眠気が残る

覚醒の維持ホルモンをブロックして眠気を誘発するので、悪夢(1.4%)や金縛り(1.6%)のような副作用が出現することがあります。また朝、眠気が残ることがあります。受容体をブロックするという薬の機序から、デエビゴの効果・副作用の程度には個人差があります。

デエビゴの用量は3規格

用量は2.5mg、5mg、10mgの3つあり、調節しやすいのも特徴です。最小用量の2.5mgから開始します。拮抗薬という機序の性質上、その効きやすさには個人差があるため、2.5mgで十分な人もいますので、一概に「用量が多ければ強くなる」という解釈は誤りです。副作用の頻度も上がると思われますので、効果をみながら調節していきましょう。

依存性がないので頓用可能

後述するルネスタと違い、デエビゴは自然な眠気を強くする薬ですので、依存性が極めて生じにくい薬です。眠気が生じた日はデエビゴを使用せず床につくなど、常用を避ける形での使用(頓用)でも続けられます。

依存性がないため、最初の1剤はデエビゴをおすすめしています。

デエビゴについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

ルネスタ(一般名: エスゾピクロン)

効きが速い、残らない

ルネスタは、非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬です。脳の機能を抑えるタイプの睡眠薬ですが、入眠作用の発現が早く、作用時間が短いことが特徴です。

デエビゴの作用が朝に残って支障が出る場合に、検討します。

入眠障害に良い適応

その効きの速さ、切れの速さから入眠障害に使用される睡眠薬になります。一方、作用時間が短いことから中途覚醒や早朝覚醒に効果が期待できない可能性があります。

ルネスタの規格は3規格

用量は1mg,2mg,3mgの3規格あり、調節しやすいのも特徴です。当院の方針として、最小用量の1mgから開始します。

依存性に注意が必要

これまでの不眠症の治療薬では依存性が度々問題となっていました。従来のベンゾジアゼピン系の睡眠薬(特に作用時間の短いのハルシオン、デパス、レンドルミンなど)と比べ、非ベンゾジアゼピン系であるルネスタ(一般名:エスゾピクロン)は筋弛緩作用が少なく耐性がつきにくいため依存性が抑えられています。しかし、キレが良いお薬でその使用感から漠然と使用を続けると次第に必要量が多くなり、やめられなくなる可能性があります。

漠然とした使用は絶対にやめましょう。

睡眠薬は空腹時に飲みましょう

睡眠薬は吸収安定のため空腹時に服用し、服用後速やかに床につきましょう。

当院の睡眠薬お薬外来の注意点

精神疾患等の疾患がある場合は原疾患の治療が優先

うつ病の第一選択薬は抗うつ薬です。うつ病の随伴症状としての不眠は睡眠薬は適していません。その他の疾患(睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群など)による不眠は原疾患の治療が最優先です。

現代人に多い入眠障害、中途覚醒、メンタル(不安、イライラ、倦怠感、神経症)からくる不眠とが主な治療の対象です。(精神疾患や他疾患による不眠の除外ができた方)

既に多剤併用している方

以前から睡眠薬を多剤併用している方、特にベンゾジアゼピン系又はそれに近い睡眠薬(ハルシオン、デパス、マイスリー、サイレースなど)を使用している方で、それらが効かない、それらがないと不安という状態になっている方がいます。依存状態になっている可能性があります。そのような睡眠薬への依存症が疑われる方(目安として2剤以上使用しても眠れなくなった状態)は専門科での診察・治療をお願いしています。

※使用薬が固定しており、安定して入眠が行えているという場合に限り、継続処方をすることはございます。

アプリをダウンロードし、診療メニュー > 睡眠薬お薬外来よりご予約ください。

デエビゴは保険のオンライン診療に対応しています。院内処方ですので、診療後ご自宅に処方薬を郵送可能な体制を整えています。