AGA

AGA全般についてわかりやすく解説!AGAとは、その治療・副作用・費用について

このページではAGAの治療を考えている人に向けて、AGAとは、その治療・副作用・費用など解説していきます。

AGAついて

AGAは男性型脱毛症のこと

AGAは男性型脱毛症(Androgenetic alppecia)のことで、男性ホルモンに起因する薄毛です。(更年期以降の女性の薄毛もAGAの関与が示唆されています)

生え際と頭頂部のどちらか、または両方の部位から徐々に薄くなるのが特徴です。

AGAは珍しくありません。AGAは罹患率も高く(日本人成人男性の10人に3人)、疾患というより、生理的現象に近いものです。発症の背景には遺伝的な素因があると言われています。

原因はジヒドロテストステロン

AGAの原因はジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる、男性ホルモンの1種です。このジヒドロテストステロン(DHT)が前頭部・頭頂部の毛乳頭細胞に作用し、毛母細胞の増殖が抑制され、成長期が短縮されます。

太くなる前に抜け落ちてしまう

通常、成長期という毛髪が伸びて太くなる期間は2〜6年ですが、AGAの病態ではジヒドロテストステロンが成長期を短縮させるので、数ヶ月〜1年に短縮します。毛髪が薄くなるのは、毛包がミニチュア化し太く長くなる前に抜け落ちてしまうからです。

AGAを疑う症状

AGAは問診・視診で診断可能なことがほとんどです。見た目の変化がわからない場合は、以下のような自覚症状がないかご確認ください。

  • 抜け毛が多くなってきた
  • ハリやコシが無くなってきた
  • 髪の毛が細くなってきた
  • 生え際が後退してきた

このような自覚症状があれば、AGAの初期段階(進行度分類 class Ⅰ)である可能性があります。

 

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実際の頭皮写真

見た目に明らかな変化がなくても、自覚症状がある人は症例写真のように細くて柔らかい毛になっている可能性があります。

AGAは進行性

AGAは進行性です。病態は年々進行し、抜け落ちるスピードも早くなります。進行スピードには個人差がありますが、20歳前後ころから始まり、日本人男性の場合には 20 歳代後半から 30 歳代にかけて著明となり,徐々に進行して 40 歳代以後に完成されると言われています。最終的には、産毛のような毛髪になります。

AGAの症状について

特徴的なのは「抜け毛の増加」です。進行すればするほど、抜け落ちるサイクルが早くなります。成熟する前に毛髪が抜け落ちるので、AGAの人の毛髪は「柔らかくコシがない」と感じます。

生え際と頭頂部のどちらか、または両方の部位から徐々に薄くなるのが特徴です。典型的には前額部(M)、前頭部(U)の生え際の後退から始まり、次に頭頂部の薄毛が出現するとされますが、日本人は頭頂部の薄毛(O)が先行するタイプ(Ⅱ vertex)も多いと報告があります。

家族や友人に頭頂部の薄毛が始まってないか勇気を出して聞いてみよう!

進行度分類の紹介

ハミルトン・ノーウッド分類は、 AGAの薄毛の進行パターンを分類したものです。今、ご自身がどのステージに該当するのか、ご確認ください。

  • I 型は外見上変化は明らかではありませんが、抜け毛が増えるなどの自覚症状があります
  • Ⅱ型は薄毛が進行し、見た目に変化が出始めます
  • Ⅲ型はボリュームが減少します。M字型やU字型の額、O型の頭頂部の露出が始まります
  • Ⅳ型は薄毛が更に進行し地肌が透け始めます
  • Ⅴ型は前と後ろで透けた地肌が繋がり始めます
  • Ⅵ型は前頭部と後頭部の地肌が明らかに繋がります
  • Ⅶ型は側頭部、後頭部まで地肌が後退します

簡易的な一覧表です。I、Ⅱ型は初期、Ⅲ、Ⅳ型は中期、Ⅴ型は後期、Ⅵ、Ⅶ型は末期と考えましょう。

AGAの治療について

 

ガイドラインで推奨されている3剤

覚えていただきたいのはこちらの3つ

  1. フィナステリド
  2. デュタステリド
  3. ミノキシジル外用薬

AGAへの治療効果が科学的に立証された3剤で、すべてのAGA患者に強く推奨されています。(推奨度A)

参考:日本皮膚科学会ガイドライン 「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」

DHT生成抑制と発毛促進の2種類

ジヒドロテストステロン(DHT)生成を抑制するフィナステリド(F)やデュタステリド(D)、発毛を促進させるミノキシジル外用薬(L)に分けられます。ミノキシジルには内服薬もあります。俗にミノタブ(M)と言われますが、副作用に注意が必要な薬剤です。(後述)

治療の鍵はDHT生成抑制薬

原因を抑えるフィナステリド、デュタステリドがキードラッグです。

DHT生成抑制薬にミノキシジルを併用

フィナステリド、デュタステリドのどちらか1種類と必要に応じてミノキシジルを併用する、これが治療のスタンダードです。これ以上に特殊な治療は不要です。AGAに特別な治療や高額な治療は必要ありません。(※ただし、植毛手術を除く)

フィナステリドについて

フィナステリドは進行予防効果は脅威の98%

フィナステリドは進行予防効果がとても優秀です。先発品であるプロペシアのデータでは、服用患者の98%は3年間でAGAの進行を認めなかったというデータがでています。また進行予防効果にとどまらず、服用1年後で改善を認めた患者割合が58%と優秀な維持・改善効果を認めました。服用を続けるにつれ改善の割合は上昇し、3年後には78%の患者が改善を認めています。

フィナステリドの副作用について

結論から申し上げると、フィナステリドに特徴的でかつ重大な副作用はありません。よく性欲減退、勃起不全(どちらも1%程度)が紹介されていますが、プラセボ(偽薬)群と差はなく、患者背景によるものと思われます。すなわち、フィナステリドの薬を服用するのは壮年〜中年の男性ですので、そのような集団では加齢性に性機能の低下が認められる頻度であって、フィナステリドによってその頻度が上昇するわけでないということです。

効果を実感するまでに最低6ヶ月間要します

フィナステリドの効果を実感するには年月が必要です。少なくとも6ヶ月間毎日服用することで早い人は効果を実感し始めます。AGA治療を続けていくほど毛周期が正常化した毛髪の割合が増えるので、長く続けるほど効果は実感しやすくなります(毛髪全体が生え変わるのには数年かかるため)。目に見える変化が現れるまで最低1年はかかると考えましょう。「抜け毛が減ったかどうか」が効果実感の目安として最適です。

よく説明を受けていないばかりに、途中で止めてしまう人がいます。根気強く続けましょう。

フィナステリドについて詳しくはこちら

ミノキシジルについて

ミノキシジルは薄毛の治療薬として使用されている薬剤の一般名です。ミノキシジルにはその形態によって錠剤(俗に、ミノタブと言われます)と塗り薬のミノキシジル外用薬があります。

ミノタブは元々降圧薬として開発されましたその際に偶発的に副作用として発毛作用が確認され、現在ではその副作用を転用し薄毛の治療薬として処方されています。しかし、AGAの治療薬として承認を受けているものではありません。(心不全などの副作用のため、降圧薬としてもの開発は中止されました)

一方、塗り薬はミノキシジルを直接塗布し作用させるもので、副作用が軽微であり発毛データも揃っていることから治療薬として承認を受けています

ミノキシジルの2つの作用

ミノキシジルは毛母細胞を刺激します。成長期の毛髪を刺激する成長維持作用、休止期の毛髪を成長期に移行させる発毛促進作用を有します。

ミノキシジル錠(ミノタブ)の副作用

心臓に負荷がかかる

血管拡張作用があるため、血圧低下、動悸、浮腫、頭痛、ほてり、心不全などの副作用に注意が必要です。心負荷作用がかかる薬であるため、高血圧や心疾患(不整脈、心不全、狭心症など)の基礎疾患がある患者さんはミノキシジル錠(ミノタブ)の処方は推奨しておりません。また、作用・副作用は用量依存性(mgが多くなればなるほど作用が強い)のため、安易に個人輸入で高用量のミノキシジルを漫然と使用し続けることは副作用出現のリスクが高いため、中止を推奨します。

全身の毛が濃くなる-多毛症-

ミノタブは、血管を通じて全身に作用するので多毛症(全身の毛が濃くなる)副作用があります。腕や足、額の産毛が濃くなったりします。

古い毛髪が抜け落ちる-初期脱毛-

前述の多毛症に加え、ミノタブに特徴的な副作用として初期脱毛があります。これはミノキシジル錠(ミノタブ)服用後、1ヶ月ほどで抜毛が増える現象です。これは新しい毛髪が古い毛髪(休止期)を押し出しているため起きる現象です。ミノキシジルの作用が出ている証ではあるのですが、抜けるのでびっくりされる人がいますので、副作用として紹介されていることが多いため、こちらに紹介しました。

外用薬の副作用

かぶれ・痒み・発赤

局所に作用するため、頭皮の軽微な副作用となります。かぶれや痒み、発赤などです。

外用薬(リキッド)と錠剤(ミノタブ)の作用発現までかかる時間の違い

外用薬(L:リキッド)は、効果を実感するには少なくとも4ヶ月の使用が必要です。とても良い薬ですが、効果が出る前に「効かない」と誤解して中止してしまう人がいることが問題点です。

一方、ミノタブは早い人は1〜2ヶ月で効果を実感するため人気があるのですが、多毛症などの副作用もあります。

どちらを選ぶべきか、おすすめの治療薬(なないろクリニックの方針)

AGA治療は長期にわたります。安全性・効果を重視し、ミノキシジル外用薬(リキッド)を推奨します。

承認薬かつ安全なミノキシジル外用薬がある以上、価格の安さと錠剤のほうが続けやすい以外の理由でミノタブを選ぶ理由はないと考えています。

当院でミノタブを処方する場合

多いのは「これまで使用していたから」という理由です。また外用薬が続かない、錠剤のほうが続けやすいといった観点でミノタブを選択することも考慮します。ただし、ミノタブは副作用が問題となる薬剤ですので、ミノタブを考える場合は副作用のリスクを患者側が許容できるか?という視点が重要です。

ミノキシジルについて詳しくはこちら

治療を検討中の方へ

AGAは早期治療が重要

AGAかなと思っても、治療を迷われてるうちに進行してしまう人がいます。AGAは早期治療が大切です。

[再掲]進行スピードには個人差がありますが、20歳前後ころから始まり、日本人男性の場合には 20 歳代後半から 30 歳代にかけて著明となり,徐々に進行して 40 歳代以後に完成されると言われています。末期に近づくほど治療に対する反応性が悪くなります。早期から治療を続けることで進行を予防することが可能です。

年単位で治療を続けましょう

  • AGA治療は年単位で時間がかかります
  • 無理のない範囲で治療を続けましょう
  • ジェネリック医薬品を知ろう

AGA治療は時間を要します。効果を実感するのに最低半年、目に見える変化が現れるまで最低1年かかると覚悟しましょう。AGA治療を続けていくほど毛周期が正常化した毛髪の割合が増えるので、長く続けるほど効果は実感しやすくなります。(毛周期が正常化し、生え変わるのには数年かかるため)

よくある質問

改善したら、服薬中止しても良いですか?

続けましょう。

AGAは体質に由来するため、根本的に治癒することありません。ある程度髪が元気になったところでやめてしまう人がいます。服薬を中止した場合、ジヒドロテストステロンがまた悪さをして、治療前の状態に徐々に戻り、さらに進行をします。何歳まで治療を続けるのかに正解はありません。( 何歳まで髪の維持をしたいかは、個人の考えによる)

治療には時間がかかることを理解し、無理のない範囲で続けていきましょう。

いつまで続けるべきですか?

その人が望む限り。

何歳まで毛髪を維持したいかによるため、いつまで治療を続けるかに正解はありません。加齢とともに男性ホルモンは低下するのである程度高齢になって、もういいかな?と思ったら中止しても良いかもしれません。

サプリは・育毛剤は必要ですか?

不要です。

治療効果が確認されているのであれば、治療薬として使用されているはずです。サプリ(食品)や化粧品の類であって、あくまで商品です。個人の自由として使用する分には止めはしませんが、医院としては効果が期待できないため推奨しません。AGAであれば、サプリや育毛剤でお金と時間を費やしている暇があったら、早急にフィナステリドを服用するべきです。

この食べ物を食べたら良い・ダメなどはありますか?

ありません。前述の通り、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンの一種が原因です。

ただし、低栄養状態は毛髪の生育に悪影響を及ぼすと予想されます。これは毛髪に限らず低栄養は不健康です。またコロナウイルスなどによる感染によって一時的に脱毛が引き起こされたり、円形脱毛症の症状として脱毛が起きることがあります。これらはそもそもAGAではありませんので、フィナステリド・デュタステリドのDHT生成抑制薬は無効です。

月々の費用はいくらくいですか?

月5000〜15000円くらいでお考えください

自費診療であるため、クリニックによって差はありますが、フィナステリド1剤であれば、やすいところで月々5000円〜(相場は7000円〜9000円)、塗り薬込で1万円前半くらいです。

安い薬でも良いですか?

安すぎる医薬品は推奨しません。

安すぎるAGA治療薬(フィナステリド)などは、ほぼすべて海外輸入品(未承認薬)と考えてよいでしょう。未承認薬は偽造品や粗悪な品質である可能性があるため当院は推奨していません。月々4000円未満の薬は未承認薬の可能性が限りなく高いでしょう(承認薬は卸値でも3000円以上するため)

現在は安価なジェネリック医薬品も承認されています。賢く費用を抑えて治療を行いましょう。

引用: プロペシア錠を服用中の方へ オルガノン株式会社

AGA専門のクリニックで高額な治療を勧められました、必要ですか?

不要です。

自由診療のみを行っているところは、ビジネスとしての医療を提供しています。AGAについて知らないままマーケティングが上手なクリニックに受診してしまうと高額な治療契約を結んでしまい、後に後悔してしまう人が多発しています。

詳しくはこちらを参照ください。

AGAは治療できる時代です。信頼できるクリニックで気長に続けましょう。

下記リンクからアプリをダウンロードし、診療メニュー > AGA外来よりご予約ください

ミノキシジル錠 5mg (ミノタブ)について[医療広告ガイドライン- 限定解除-]

未承認医薬品等
ノキシジル 5mg(一般名:ミノキシジル)は、AGA治療目的での処方は国内では承認されていません。

入手経路等
T.O.CHEMICALS社で製造されたノキシジル(一般名:ミノキシジル)を当院で個人輸入しています。

参考サイト:「個人輸入において注意すべき医薬品等について

国内承認医薬品等の有無
ノキシジル(一般名:ミノキシジル)と同成分かつ同形状(錠剤)の医薬品は国内で承認されておりませんが、同成分かつ外用薬は第1類医薬品として、「ミノキシジル外用薬 5%」が承認されています。

諸外国における安全性等に係る情報
諸外国において発毛の治療薬として使用されていますが、長期的な安全性は評価されておらず、長期的な使用により重大な副作用(うっ血性心不全)など懸念されます。また、高用量のミノキシジル錠も販売されており、個人の忍容性を超えた服用が危険視されています。

医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。