ミノキシジルの内服薬について
発毛薬として使われているが、元々は高血圧の治療薬
ミノキシジルは世界中で使用されているAGA(男性型脱毛症)の治療薬として使用されています。ミノキシジルは元々降圧薬(血管拡張薬)として開発されました。開発の過程で、偶発的に毛深くなる副作用が明らかになり、その作用を転用して現在は自費診療領域で発毛薬として広く使われるようになりました。
外用薬と区別してミノタブと称される
ミノキシジルの外用薬と区別するため、ミノキシジル タブレット(錠剤)はミノタブと呼称されることがあります。
作用と効果
血管拡張作用による発毛促進作用。毛母細胞の血流が増加し、発毛を促していると推測されています。
用法・用量
ミノキシジル 5mg を 1 日 1 回服用します。いつ服用しても結構ですが、なるべく毎日同じ時間帯に服用ください。飲み忘れた場合は、その日はskipし、次の日に1日量を服用ください。(決して倍量を服用しないでください。)
副作用
その血管拡張作用から、主な副作用として血圧低下(降圧剤)、血管拡張による症状(動悸、浮腫、頭痛、ほてり)等を生じる可能性あり、さらには心臓への負荷から動悸や胸部圧迫感などの胸部症状(★)が出現する場合があります。
出現リスクは用量依存性
副作用の出現リスクは用量依存性(量が多ければ多いほどリスク)であり、5mgでは副作用が前面に出現することは、さほど多くはありませんが、当院では安全のため、下線の副作用(★)が出現した場合、原則として中止とさせていただいています。(再開を希望される場合は、副作用消失後に2.5mgの最低用量を検討します、ご相談ください。)
この薬を使うにあたって注意が必要な方
心臓に負荷がかかる副作用から慎重投与・禁忌の方を設けております。
【禁忌】
- 心疾患(慢性心不全、不整脈、浮腫、胸水貯留など)
- 妊娠予定の方、妊娠中の方、授乳中の方
- 未成年者
- 高齢者
- その他、医師の判断によって服用が難しいと判断された方
上記に当てはまる場合は、処方をお断りさせていただく場合がございます。
【慎重投与】
- 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状、胸部症状(動悸など)が出たことがある。
- 現在高血圧で治療中の方
- 精神疾患または、その他疾患(慢性腎臓病など)の治療中の方
上記に該当する方や医師の判断によっては、診療情報提供書を作成し主治医の許可確認後または血液検査での結果を確認後に治療を行う可能性がございます。ご了承ください。
ミノキシジル服用開始に伴う初期脱毛について
初期脱毛は発毛作用が始まったサイン
ミノキシジル服用後に、発毛を促す過程で抜け毛が多くなる初期脱毛が起こる場合があります。ヘアサイクルにおける休止期(成長が止まり、自然と抜け落ちるまでの期間)に作用し、新しい毛髪が古い髪の毛を押し出してくるイメージです。
服用開始後2週間前後で始まり約1か月続く
服用開始後2、3週間から始まり、約1か月間ほど続くと言われています。ずっと髪の毛が抜け続けるわけではありません。抜け毛が増えたり減ったりを繰り返し、やがて抜け毛の量が落ち着いてくるというケースが多いようです。
初期脱毛があっても服用をやめないでください
抜け毛が多くなると不安に感じる方が、服用を中止するケースが散見されます。初期脱毛を認めた場合であっても休止期の毛髪が早めに抜け落ちることが主なので、見た目が大きく変わるほど抜けることは稀です。むしろ初期脱毛があることは薬に対する反応がある証であり、その後の治療反応性の期待も高まります。不安だと思いますが根気強く続けてみましょう。