内科

インフルエンザの流行判断に使用する定点把握について

医師は1類~4類及び5類の一部に該当する患者を診断したときは、最寄りの保健所に届出なくてはなりません(全数把握疾患)。 2022年12月現在、新型コロナウイルス感染症は2類相当ですので、全数把握のため、数等を届け出る必要があります。

その他の5類感染症は定点として指定された医療機関からの届出を受けてその発生数を把握する疾患(定点把握疾患)です。インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)は、定点把握疾患にあたります。インフルエンザの場合、定点医療機関は、1週間の患者発生数を保健所に報告することになっています。 定点あたりの報告数とは、定点医療機関からの総患者報告数を定点医療機関数で割った数となります。1週間に1つの定点医療機関におけるインフルエンザ患者数を表す数値で、この数値により感染症の流行状況が把握できます。

例えば、保健所管内でインフルエンザの報告が50件あったとすると、定点当たり報告数は、報告数(50件)を定点医療機関の数で割り算をします。そうすると定点当たり報告数が計算できます。定点医療機関の数を50とすると、定点あたりの報告数は、50/50 = 1です。この「定点あたりの報告数」が大きくなればなるほど、流行していると判断できます。

単純に、報告数だけであれば人口などの規模に影響を受けますが、医療機関あたりで割り算することで、流行状況を比較できる(昨年度、月別、週別、地域別など)ようにしています。

厚生労働省のHPから、インフルエンザの発生状況を調べることが可能です。