メディカルダイエット

リベルサス、オゼンピック、マンジャロ、ゼップバウンドどう違う?

薬剤の名前は非常に紛らわしいものがあります。まず、一般名と商品名を区別しないと理解ができません。一般名は、その薬の有効成分を表しており、商品名はその有効成分を含んだ薬剤で、主に先発品を指すことが多いです。

セマグルチド(一般名):リベルサス、オゼンピック、ウゴービ(商品名)

チルゼパチド(一般名):マンジャロ、ゼップバウンド(商品名)

リラグルチド(一般名):ビクトーザ、サクセンダ(商品名)

メディカルダイエット界隈の薬は海外輸入品も混在し、カオスな状況になっています。そこで、当院のメディカルダイエットで処方している薬剤に関連するものを紹介・解説します。

セマグルチドの具体例

同じ薬剤(一般名:セマグルチド)でも経口薬、注射があります。

当院で処方しているリベルサスはセマグルチド(一般名)の経口薬です。「リベルサス」は商品名です。一方、注射薬のセマグルチドには、オゼンピック、ウゴービがあります。オゼンピックとウゴービの大きな違いは適応疾患と最大投与量です。オゼンピックは2型糖尿病、ウゴービは肥満症(※)が適応疾患です。また最大投与量は、オゼンピックは1.0mg、ウゴービは2.4mgです。

つまり中身が同じ(セマグルチド)なのに、最大投与量・適応疾患で差があります。

執筆時点の2025年10月29日現在、経口薬のGLP-1受容体作動薬は「リベルサス」しかありません。今後、ジェネリックが普及すればまた大変なことになります。ジェネリック医薬品の流通名称は一般名であることが多く、セマグルチド 3,7,14mgが経口薬として流通します。それは「リベルサス」のジェネリックということになります。分かる人は用量をみただけでわかりますが、慣れないと難しいです。

※[注意喚起]適応条件は非常に厳しいものとなっており、当院では処方できません。また処方可能な医療機関への紹介もいたしておりませんので、問い合わせもお控えください。

チルゼパチドの例

チルゼパチドにはマンジャロとゼップバウンドがあります。この2つは商品名が異なりますが、同じ規格の注射薬です。

薬剤として承認を受けるに当たって、2型糖尿病の治療薬として承認を受けたのがマンジャロ、肥満症の適応を受けたのがゼップバウンド(※)という経緯です。一般名はどちらもチルゼパチドで最大投与量、規格も同じ。異なるのは商品名と適応症です。

※[注意喚起]適応条件は非常に厳しいものとなっており、当院では処方できません。また処方可能な医療機関への紹介もいたしておりませんので、問い合わせもお控えください。

同じリラグルチドでも2つ商品名があります

リラグルチドには日本版の「ビクトーザ」、海外版の「サクセンダ」があります。同じリラグルチドの注射薬でございますが、ビクトーザは日本で2型糖尿病の適応を取得している注射製剤で最大投与量は1.8mgです。一方、「サクセンダ」(商品名)でよく自由診療クリニックで処方されています(※)。サクセンダは日本で承認されていないためで、最大量が3.0mgというのがビクトーザとのおおきな違いです。(※サクセンダを処方している自由診療クリニックは海外から輸入しています、いわば海外版リラグルチドです。)