アレルギー

[医師解説]アレルギー性鼻炎(花粉症など)と風邪の違い:見分け方と適切な対処法

鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどの鼻炎症状が出ると、「風邪かな?」と思う方が多いですが、これらはアレルギー性鼻炎でもよく見られる症状です。アレルギー性鼻炎と風邪の初期症状は非常に似ていますが、原因や特徴が異なります。正しく見分けて適切に対処することで、つらい症状を早く和らげることができます。ご自身の症状を振り返りながら、ぜひ参考にしてください。

下記リンクからアプリをダウンロードし、診療メニュー > アレルギー外来(花粉症、View39)よりご予約ください

オンライン診療にも対応しています。詳しくは下記オンライン用の診療ページを参照ください。

アレルギー性鼻炎と風邪症状の違い、その見分け方について

なぜ見分けることが難しいのか

結論から言うと、アレルギー性鼻炎と風邪の初期症状は見分けることが難しいです。風邪でも鼻炎症状(鼻から来る風邪)のみこともありますし、アレルギー性鼻炎でも、頭痛、倦怠感、喉のイガイガ、熱っぽさが出現することはよくあるので、「風邪かな?」と思ったら、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」だったということはよくあります。

  • 初期の症状だけだと見分けがつかない
  • スギ花粉症(2月頃)の時期は風邪も流行している

これらがアレルギー性鼻炎か風邪かの区別が難しくなる理由です。

アレルギー性鼻炎と風邪の違いを知ることで、症状の違いを理解できます。

アレルゲンかウイルスか

アレルギー性鼻炎は何らかのアレルゲン(花粉、ダニアレルゲン、ハウスダストなど)を吸引して、発症します。風邪はウイルスを吸引して、鼻咽頭に感染を起こし増殖して発症します。原因がアレルゲンかウイルスかで大きく異なるのがひとつめの違いです。

アレルギー性鼻炎 風邪
アレルゲン ウイルス

原因が異なるので、鼻炎症状(鼻水、くしゃみ、鼻詰まり)を引き起こす際のメカニズムは異なります。アレルギー性鼻炎(花粉症など)は過去に感作されたIgE抗体がマスト細胞にくっつき、ヒスタミンという物質が大量に放出され、アレルゲンに触れてから速やかに症状が出現しますが、風邪はウイルスに感染し、体内の自然免疫(ウイルスを直接攻撃しようとする仕組み)が鼻炎を引き起こします。その結果、鼻水、くしゃみ、症状経過などに違いが生まれます。

タラタラでる鼻水か、山のある経過がある鼻水か

アレルギー性鼻炎はアレルゲンに触れ続ける限り、サラサラした鼻水が出続けます。、そして、スギ花粉のように飛散シーズンがあれば、その時期をすぎると症状は消失します。

花粉飛散のピークに合わせて症状が悪化することはあります。

一方、風邪症状はウイルス感染に伴う体の防御反応なので、「ウイルス量のピーク(発症後2日前後)に伴って鼻汁が増え、ウイルスが排除された頃には軽減し速やかに消失する」という特徴があります。大体1週間前後でよくなるのが風邪です。

アレルギー性はタラタラと持続して、風邪は鼻水の性状が変わりながら1週間程度で軽快する。

アレルギー性鼻炎 風邪
原因 アレルゲン(花粉、ダニ、ハウスダスト、ペットのフケなど) ウイルス(ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルスなど)
免疫 獲得免疫(IgE抗体)が中心
Ⅰ型アレルギー
自然免疫が中心
主な化学物質 ヒスタミン(マスト細胞から大量放出) サイトカイン・ブラジキニンなど
発症のタイミング アレルゲンに触れてから数分〜数十分 感染後 1〜3日で症状出現(潜伏期間)
期間 アレルゲンに触れ続ける限り繰り返し持続する 2−3日でピーク、7〜10日で軽快
流行 花粉であれば特定の季節のみ。
ハウスダスト(ダニなど)は、その場所で繰り返す。離れれば軽快する。
季節性や流行はあるが、年中様々なウイルスが原因で発症しうる。

次項で症状の違いについて更に詳しく見てきます。

見分けるポイントは「痒み」「鼻水の色」「くしゃみの連続性」「発熱の有無」

反応のメカニズムが違うので、鼻水の症状以外にも様々な違いが出てきます。一番の簡単な違いは「眼や鼻に痒みがあるか」です。痒みがあれば、「アレルギー」由来と考えれます。またくしゃみが連続すればアレルギーらしいと考えます。

次に風邪らしい所見です。喉の「痛み」・「声枯れ」、寒気・発熱があれば風邪らしい症状です。また発症から症状が1日単位で変化がある場合(例:鼻水から始まり、翌日発熱、喉の痛み、咳が出てきたなど)も風邪らしい経過と考えます。

症状の比較表

アレルギー性鼻炎 風邪
鼻水の性状 透明でサラサラ(水っぽい) 初期は透明だが、次第に黄緑色に変化し粘り気が出る
くしゃみ 連続して何度も出る(立て続けに5−6回など) 1〜2回程度で連続性は低い
眼の症状 痒み、充血、流涙 ほとんど現れない
喉の症状 鼻炎がひどいときは「イガイガ」する時があるが、「痛み」になることはない 初期は「イガイガ」で収まることもあるが、次第に痛みに変わることが多い。嚥下時痛や声の出しにくさ、嗄声(声がガラガラ)なることもある。
発熱、倦怠感など 出ないかあっても微熱程度(寒気はない)
倦怠感、頭重感を感じることがある
発熱しないこともあるが、
寒気を伴い発熱を伴うこともある。
症状の推移 アレルゲンのピーク時期(スギ花粉は2月〜3月、ダニアレルギーは秋)に症状が悪化することもあるが、急な波はない。
(ダラダラと悪くなって、ダラダラと良くなる)
発症から日を追うごとに症状が変化・悪化。2−3日でピーク、7〜10日で軽快。

昨年も症状が出ていたか?(花粉症の場合)

例えば花粉症であれば、毎年花粉が飛散する時期に症状が出るはずです。体内で準備していたIgE抗体が反応して速やかに症状が出てくるのがアレルギー性鼻炎なので、繰り返している場合はアレルギーらしいでしょう。

もちろん、その時期に風邪を合併することもあるので、切り離す必要はありませんが、昨年も同じ時期に同じ症状があった場合は、アレルギー性鼻炎(花粉症)を疑うきっかけになります。

症状の分布と経過

次は症状の分布と経過です。風邪であれば上気道(鼻・喉・咳)症状がメインであってほしいので、気管支の奥から来るような咳をしていたり、喉が腫れていたり、寒気・発熱があったりすると、やはりそれは風邪らしいとなります。繰り返しますがまた風邪のようなウイルス感染症は発症から2日前後がピークで、次第に症状が移ろい1週間〜10日程度で治癒するという、「山がある経過」になるので、「2週間以上、サラサラとした鼻水が出続けている」ような平坦な経過であれば、アレルギー性鼻炎(花粉症)らしい、と考えます。

風邪だったら痰が出たり、鼻水がサラサラ→黄緑になったり変化しますね。

治療への反応性を見る

色々な観点から診察しても内科的にはっきりしない場合は、必ず出てきます。

そういった場合は、とりあえず抗アレルギー薬を出してみて、治療の反応を見てみます。アレルギーであれば、比較的速やかに症状が引きます。薬が切れれば症状がすぐに再燃します。(シーズン中はスギ花粉が舞っているので当然)

薬への反応性は個人差もありますが、花粉症であれば薬を調整する中で改善してくことがほとんどで、よく効く場合はその日のうちに症状が軽快します。一方、風邪はウイルスへの防御反応で鼻汁が出るので、ウイルスが居なくならない限り、抑えることが難しいので薬への反応は悪くなります。(一部、ヒスタミン様の反応もあるので、全くの無効ではないと考えられています)

下記リンクからアプリをダウンロードし、診療メニュー > アレルギー外来(花粉症、View39)よりご予約ください

オンライン診療にも対応しています。詳しくは下記オンライン用の診療ページを参照ください。

[余談]耳鼻科では鼻汁中の好酸球を調べて、アレルギーか否かの診断をつけることも可能と聞きますが…現場としては、まずは薬への反応をみることも多いです。

全員の鼻汁の好酸球を調べるのは非現実的です

以上になります、皆様の参考になれば幸いです。

迷ったらアレルギー検査をご検討ください

風邪かなと思っていたら実はアレルギーだったというケースも良くあります。特に風邪も花粉症も流行る春先に困って来院されます。

症状が長引く場合や区別がつかないときはアレルギーの検査をご検討ください。

なないろクリニックでは「View39」という39項目のアレルゲンに対する特異的IgE抗体価を測定する検査が可能です。内科でもできるアレルギー検査です。※血液検査です。小児不可

 吸入アレルゲン  ダニ、ハウスダスト、スギ、ヒノキ、ハンノキ、ブタクサ、ヨモギ、イネ猫、犬など
 食物アレルゲン  エビ、カニ、小麦、そば、キウイ、りんご、卵白、大豆、サバなど

人気の検査です。

詳細はこちらを参照ください。

下記リンクからアプリをダウンロードし、診療メニュー > アレルギー外来(花粉症、View39)[対面]よりご予約ください