アジルサルタン(先発品:アジルバ)はARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)という種類の高血圧治療薬です。
1日1回の服用で24時間効果が続き、降圧効果が比較的高いのが特徴で、良く処方される薬剤です。高血圧治療においては、アムロジピンのようなカルシウム拮抗薬と並んで第一選択薬に位置づけられます。
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アジルサルタン(アジルバ)について
アジルサルタン(先発品:アジルバ)はARB(エーアールビー:アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)という種類の降圧剤です。先発品であるアジルバは2012年に日本で発売された比較的新しい降圧薬です。ARBはアンジオテンシンⅡという全身の血管を収縮させる物質の作用をブロックする作用機序で、血管を緩め血圧を下げます。アジルバの一般名(有効成分)が「アジルサルタン」です。「アジルサルタン」という一般名でジェネリック薬品が発売されるようになり、費用負担少なく治療できるようになりました。
アジルサルタンの特徴
- 1日1回服用で約24時間効果が持続する(長時間作用型)
- ARBの中でもAT1受容体への結合力が強く、降圧効果が比較的強力
- 副作用が比較的出にくく使いやすい
- ACE阻害薬でよく見られる「空咳(からぜき)」が出にくい
- 腎臓、心臓にやさしい(保護作用がある)
特に5番目の腎保護作用は重要です。アジルサルタンは、血圧を下げるだけでなく、腎臓にある糸球体内圧を下げ、腎臓のフィルターを保護し腎臓病の進行を遅らせます。そういった効果から、慢性腎臓病、糖尿病の併発症のある人には良く処方されます。
アジルサルタンの効果
アジルサルタンはARBの中でも降圧力が比較的強く、以下のような効果が期待されます。
収縮期血圧(上の血圧):他のARBと比べて平均で約2.85mmHg追加低下(研究による)
拡張期血圧(下の血圧):他のARBと比べて平均で約2.10mmHg追加低下
[ARB降圧効果の比較]ロサルタン < バルサルタン < カンデサルタン < イルべサルタン < テルミサルタン < オルメサルタン < アジサルタン
皆さん気になるのは、アジルサルタンで実際にどれくらい血圧が下がるのか?だと思います。
用量や個人差もありますが、目安を提示します。
- 収縮期血圧(上の血圧):おおよそ10〜25mmHg程度低下
- 拡張期血圧(下の血圧):おおよそ5〜15mmHg程度低下
[イメージ]基本的に高血圧の薬は1種類で上の血圧が10mmHg程度下がる
アジルサルタンには20mg、40mgの用量があります。通常は20mgを使用しますが、血圧の高さや年齢などに応じて、最小用量の10mgから開始する場合もあります。
アジルサルタンの効果が安定するまで約1か月
| 処方からの日数 | 効果の目安 |
|---|---|
| 2〜4週間後 | 血中濃度が安定し、降圧効果も安定 その患者さんに対する「アジルサルタン ◯mgの降圧効果」が明確になります。 |
| 1〜3ヶ月後 | 血圧が安定してくるため、医師が用量を調節します |
血中濃度が安定すると、2〜4週間でアジルサルタン ◯mgでどれくらい血圧が下がるかがわかるようになります。実際に血圧が安定して下がるまでには、さらに時間がかかることがありますので、一般的には、2〜3か月ほどかけてゆっくりと降圧していくイメージを持つとよいでしょう。
長い年月をかけて少しずつ上がってきた血圧を急激に下げると、めまいやふらつきなどの症状が出ることがあるため、1〜3か月の期間を空けて、お薬の量を少しずつ調節しながら、ゆっくりと血圧を下げていきます。「1〜2週間飲んでも血圧が下がらない」と焦る必要はありません。
ここで大切なのは「自己判断で服用を止めない」ということです。血圧の治療は、目標血圧(目安 上の血圧が130mmHg 未満)を維持することが大切です。飲み忘れが続くと、血圧が乱高下してしまい、血管へのダメージとなってしまうからです。
ジルムロ配合錠で錠数そのまま治療強化!
アジルサルタン同様に、高血圧治療の第一選択薬にアムロジピンがあります。アジルサルタンとは異なる作用機序(Ca拮抗薬)をもち、副作用のリスクも少ない薬剤ですので、アジルサルタン同様に処方される機会が多い薬です。
そのアムロジピンとアジルサルタンとの配合錠として「ジルムロ配合錠」があります。
アジルサルタン1剤のみでは目標血圧に達さない場合、アムロジピンなど他の降圧薬を併用します。その際に便利なのがジルムロ配合錠です。
高血圧の治療は、様々な作用機序の薬剤を組み合わせるのが基本で、目標血圧に到達しない場合に1種類ずつ追加していきます。
薬が増えることに抵抗がある患者さんも、ジルムロ配合錠のような薬であれば「錠数そのままで治療強化」ができるので、処方する側としても大変助かる存在です。
| ジルムロ配合錠 | |
|---|---|
| 先発品名 | ザクラス配合錠LD/HD |
| 用量 | アムロジピン 2.5/5mg + アジルサルタン 20mg |
| 好きなところ
特徴 |
降圧効果が高く、ジェネリックの登場で費用対効果高い
ARBの併用効果でアムロジピンで懸念される副作用(下腿浮腫)の予防・軽減が期待できる |
アジルサルタン(アジルバ)の副作用
副作用は比較的少なく、多くの場合、問題なく服用を続けることが可能です。
副作用の中でも注意すべきものについて解説していきます。
下痢
約2%に下痢の報告があり、最も頻度が高いものです。しかし、処方していて、患者さんからの訴えをほぼ聞きません。(軽微なものを見逃しているのかもしれません。)
有名なもので、他のARBの1剤である「オルメサルタン」を使用した場合に報告されている「オルメサルタン胃腸症」と名称がついているものはあります。症状が重めの慢性下痢であることが特徴で、対応はオルメサルタンの中止が最も重要になります。
下痢の副作用はオルメサルタンだけでなく、ARBクラス全体で注意喚起されています。アジルサルタンの下痢は通常は軽度〜中等度のものが多いとされています。
アジルサルタンを服用初めてから下痢が長引く場合は一度処方医にご相談ください!
高K血症
頻度は稀ではありますが、注意すべき副作用です。腎機能が低下している人、糖尿病などの人はリスクが高まる可能性があるあります。特に症状が出ないことがほとんどなので、定期的に血液検査でフォローを行います。
腎機能の低下
服用開始後、Cre(クレアチン)が軽度上昇します。通常、Creの上昇は腎機能の悪化と考えますが、今回は慌てる必要はありません。これは糸球体内圧が下がり、腎臓への負荷が減った代わりに上がったと考えましょう。長期的に腎臓のことを考えたら腎臓の負荷を軽減した方が良いので、血圧も糸球体内圧も下げた方が良いのです。
今まで腎臓に負荷が強くかかって頑張りすぎた結果、見かけ上、Creが低く出ていました。そこにARB(アジルサルタン)が作用して、糸球体内圧を緩めて腎臓を休ませてあげることで、本来の値に近いCreの数値になった、というわけです。
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