当院ではInBodyを用いた体組成測定を定期的に実施しており、糖尿病患者、内科外来、メディカルダイエット(自費)の方々のInBodyのデータを集めてみました。そのデータの一部を紹介します。
あくまで様々な年齢、BMIの方にリベルサス、マンジャロを使用した場合の体重減少のペースをざっくりと把握していただくためのまとめです。
以下の注意点について、ご確認ください。
- 紙面の関係上、実際に使用している併用薬すべては記載できていません。
- 治療の成果を保証するものではありません。
医薬品には作用がありますので、副作用もございます。
※マンジャロは全国的に供給が不足しており、メディカルダイエットでの処方を制限しており患者データはありません。(糖尿病治療の方を優先)
リベルサス(メディカルダイエット・糖尿病治療)
リベルサスとは
リベルサス(一般名:セマグルチド (遺伝子組換え))は2型糖尿病の治療薬として承認されているGLP-1受容体作動薬という種類の薬剤です。GLP-1(Glucagon-like peptide-1)とは、食後に血糖値が上がったときに小腸下部(L細胞)から分泌されるインクレチンと呼ばれるホルモンのひとつで食欲抑制作用を有します。従来、オゼンピック®(セマグルチド)をはじめとしたGLP-1受容体作動薬は注射製剤しかありませんでした。しかし、製薬メーカーの研究の結果、吸収促進剤であるSNAC(サルカプロザートナトリウム)300mgを含有することで、胃でのタンパク質分解酵素からセマグルチドを保護し、吸収を促進して、経口投与が実現、世界初、唯一の経口GLP-1受容体作動薬 リベルサスが誕生しました。
研究上のデータでは2-4kgの体重減少作用
研究上のデータでは、リベルサス7mgで約2kg、リベルサス14mgで 4kgの体重減少が期待できます。しかし実際のところ、メディカルダイエット治療者はそれ以上の体重減少の結果を出していることが多いです。研究対象ではベースラインの体重が90kg前後と大きいのと対照的に、肥満度がそれほど強くないメディカルダイエットの人のほうがリベルサスの感受性が高い可能性があります。
実際の結果を見ていきましょう。
30代女性 168cm 121.2kg BMI 42.9
糖尿病治療でリベルサスを開始した患者さんです。食事運動療法で3ヶ月間で2.6kg 減少しましたが、その後リベルサスを併用し13.9kg減量し、計16.5kg減量しました。現在も治療を継続されています。
高度肥満の方は難しい
一般的に高度肥満(BMI ≧ 35)の方のダイエットの難易度はとても高いです。特に18歳など若い時から高度肥満がある方は、なかなか減量が難しい例が多い印象です。本来は減量作用の強いマンジャロを使用したいBMIではありますが、本人の希望でリベルサスで治療し順調に結果を出しています。結果が出ている理由として、本人が痩せる意思があり、食事量を減らすという行動に移せていることが挙げられます。
20代女性 152cm 54.7kg BMI 23.7
リベルサス3mgを10日間服用後、7mgに移行し20日間使用、2.2kg体重減少。7mgを計測し4ヶ月間で計6.6kg 体重減少。食事もしっかり食べれているが、自然と食事量をセーブできるようになったとのことである。目標の45kg台へ向けて治療を継続している。
40代女性 164cm 59.4kg BMI 22.1
リベルサス3mgを10日間服用後、7mgに移行し20日間使用、オルリファスト 60mgも併用し、1ヶ月後には2.1kg体重減。リベルサス7mgを継続し、54kgをキープする目的で治療を継続していたが、6ヶ月間で7.8kg体重減少し、51.6kgまで体重が減ってしまい、やせの領域(BMI18.5)に近くなったため、リベルサス3mgに戻した。1ヶ月後、53.1kgまで体重を戻した。患者自身もこ54kg前後が一番体調が良いと自覚しており、体重維持を目標に治療を続けている。(リベルサス、オルリスタットを使ったり使わなかったり自己調整している)
50代女性 166cm 75.9kg BMI 27.5
数年前にタバコを辞めて体重増加し、戻らなくなったためメディカルダイエットを開始した。リベルサス3mgを10日間服用後、7mgに移行し20日間使用、1ヶ月で1.4kg体重減少。4ヶ月で11.5kg体重減少を達成。
大きく体重減少を成功させた要素として「体重日記」があります。
11.5kg痩せた実際の体重日記
50代男性 173cm 88.7kg BMI 29.6
50代に入り、体重増加傾向で痩せようと努力したがなかなか痩せられなかったのでメディカルダイエットスタート。リベルサスによる食欲抑制効果で白米の量をセーブ、飲酒量も週3~4日 → 週1〜2日に減らすことができ、4ヶ月で7.5kgの減量達成。目標の78kgに向け、治療を続けている。
50代男性 165cm 74.4kg BMI 27.3
ジムに通ったが、続けられず体重を減らせないためメディカルダイエット開始されました。リベルサスによる治療で4ヶ月で7.3kgの減量。BMIは標準範囲に入りました。目標の60kg(BMI 22)に向けて治療を継続されています。
60代女性 161cm 63.9kg BMI 24.6
ここ数年で数kg体重が増加し、人生で最大体重となったためメディカルダイエットを開始した。リベルサス、オルリスタットによる治療を開始。開始1ヶ月目で、4.2kgの体重減少した。開始後3ヶ月で、6.7kgの体重減少し、目標の58kgを下回った。その後はリベルサスの量を減らしながら(3mgと7mkgを併用)、体重維持を目標に治療を続けている。
マンジャロの実績紹介
マンジャロとは
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、インクレチンという消化管ホルモンであるGIP(ジーアイピー)、およびGLP-1(ジーエルピーワン)を配合した、GIP/GLP-1(ジーアイピー/ジーエルピーワン)受容体作動薬という新しい種類の注射薬です。マンジャロ(一般名:チルゼパチド)はGIP、GLP-1受容体の両方作用し、既存のGLP-1受容体作動薬(リベルサス、オゼンピック、ビクトーザ、サクセンダ等)よりも強力なHbA1c改善作用・体重減少作用を有します。
2024.03.11
マンジャロとは?その作用・注射方法・副作用・安全性について
マンジャロについて GIP、GLP-1受容体に作用するデュアルアゴニスト マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、インクレチンという消化管...
研究上のデータでは7-10kgの体重減少作用
研究上のデータでは、マンジャロ 5.0mgで7kg、7.5mgで7.8kg、10mgで9.5kgの体重減少が期待できます。
実際の結果を見ていきましょう。
30代女性 164cm 60.8kg BMI 22.6
10kg程体重が増加したためメディカルダイエットを決意。もともと標準体重であることもあり、マンジャロ2.5mgでも十分に効果を実感。マンジャロ2.5mgを4ヶ月で−7.9kg 減量しスリム体型を達成した。本来、マンジャロ 2.5mgは維持用量ではありますが、肥満が強くない人にとっては十分な食欲抑制効果をもたらします。ダイエット目的の人にとってはマンジャロ 2.5mgでもダイエット効果を期待できると考えます。
50代女性 150cm 63.5kg BMI 28.2
マンジャロ2.5mgから開始し、1ヶ月後5mgに増量した。目標体重である55kgに2ヶ月で到達したため、目標を50kgに上方修正し、マンジャロを2.5mgに減量し治療を継続している。
50代女性 157cm 80.2kg BMI 32.5
84kgの体重になったことでダイエットを決意。当院受診後は食事運動療法を継続し、6.9kgの減量を達成。血液検査にて糖尿病の診断(HbA1c6.8%、血糖値143mg/dL)に至り、2023年7月よりマンジャロ 2.5mgの皮下注を開始、1ヶ月後よりマンジャロ 5mgに増量。来院から6ヶ月間で9.9kgの体重減少を達成した。ダイエットを決意されてから、計15.4kgの減量に成功しました。高血圧の治療薬も中止でき、本人も大喜びでした。
30代女性 174cm 99.7kg BMI 32.9
元々糖尿病の治療でビクトーザ 1.8mgを皮下注していた患者さんです。ビクトーザ(一般名:リラグルチド)は自由診療領域でいうサクセンダと同じ成分で、日本でのMax 投与量は1.8mgです。そのMax投与量でさえ抑えられなかった食欲ですが、マンジャロに切り替えた後から体重減少を認め、3ヶ月で4.8kg体重減少を達成しました。「マンジャロ5mgでビクトーザ1.8mgで抑えられなかった食欲が抑えられている。マンジャロ5mgのほうが食欲抑制効果を強く感じる」とおっしゃられていました。
食事量を減らさなければやせません!!!
たとえマンジャロの強い食欲抑制効果を持ってしても、食欲が抑えられず食べてしまう人がいます。食事を痩せることはできません。注射を打つだけでなく、なぜ太ってしまうのか、どこで余分なカロリーを摂食してしまうのかを見つめ直し、その食生活を見つめ直さない限りは体重減少は見込めません。
マンジャロとビクトーザ(サクセンダ含む)はどっちが強い?
自由診療(他院)でサクセンダ 3.0mgを注射している人で、マンジャロに切り替えたところ、マンジャロ 5mgのほうが食欲抑制効果を感じるという方がいらっしゃいました。ビクトーザ(リラグルチド)とマンジャロ(チルゼパチド)は異なる製剤であることから、正確な意味合いでの比較は難しいですが、科学的なデータから裏付けされているように食欲抑制効果・体重減少作用に関しては、マンジャロが大きく上回っていると考えて良いでしょう。
30代男性 175cm 75.0kg BMI 24.2
激務から生活習慣が乱れ、2022年11月には人生最大体重に達したため、ダイエット決意。リベルサス開始1ヶ月後3.3kgの体重減少。3ヶ月間の休薬をはさんだが、71.1kgで体重キープ出来ていたが、2023年4月マンジャロ2.5mgを開始、リベルサス 7mgよりも強い食欲抑制作用を実感。1ヶ月で1.3kg減量し、マンジャロ 5mgに増量。2週間で1.4kg体重減少するも、嘔気が強く治療中止した。中止時の体重は68.5kg、ドラッグフリーで4ヶ月後2.2kg体重は戻るも、大きなリバウンドなく経過している。
恥ずかしながら院長自身のダイエット記録でした。
治療者の感想
従来のダイエットは強い意思で食欲を抑え込み我慢するダイエットでしたが、GLP-1、GIP/GLP-1 アナログによるダイエットは、自然と食事量を抑えることが出来きます。患者さんの声を聞いても、「特に努力せずに痩せられた」との感想を多く聞きます。私もそう感じました。努力しても痩せられなかったのに、リベルサス・マンジャロですぐに痩せられたのでびっくりしています。ダイエットの成功の鍵は食事です。1日の総カロリーをセーブ出来なければ、成功はありません。食欲を抑制してくれるGLP-1アナログ、GIP/GLP-1アナログはダイエット成功を導いてくれる強力なサポーターです。
リバウンドやその他注意点について
よく薬をやめたらまた太るのか?と質問を受けます。食欲抑制は外れますので、食欲は戻るでしょう。しかし、肥満があるときと、肥満がないときでは食欲の強さも変わります。肥満があると満腹ホルモンの感受性が落ちてしまいます。肥満を解消すると、満腹を感じやすくなっており、太っているときよりも食欲は抑えることが簡単です。痩せるのは難しいですが、体重の維持はさほど難しくありません。実際は、摂取カロリーが多いとその分太ってしまいます。これは当たり前ですが、中止した人の体重をみてみると、大きくリバウンドすることなく体重を維持できている方が多いです。(科学的なデータでも同様の傾向がでていいます)
当院のメディカルダイエットでは、安全性を考慮し効果のあるダイエットを追求しています。
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